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どうやったら結果を出せるようになれるのか~身体内圧理論に至った背景~

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     関節はすぐ固まるってホント?~現実と教育の乖離~


養成校の授業では、一日に2回最大可動域まで関節を動かすと関節可動域制限はできないと習いました。
裏を返せば、一日に関節を2回可動域を保ちたい方向に動かさない限り、関節の可動範囲は維持できないということになります。
これが事実であれば、大変なことになります。

人の関節はおよそ250個あります。
可動域を維持するためにはこれら250個の関節を、一日に最低2回、それぞれの方向に、且つ、最大可動域まで動かさないと
関節はどんどん動かなくなるということになります。

我々は毎日2回必ずしも「伸び」をしなくても、伸びの可動域は制限されません。

また、臨床において、1日2回以上関節を動かしても、病床で臥床している方々の中には、
著しく関節の可動範囲が狭くなる方もおられます。
このことは毎日同じことの繰り返しが必要であることを意味しており、訓練計画に変更が無いということは、
進歩していない、つまり、私が効果を得られる施術をしていないことを表しています。

効果の得られていない施術を行っていては、医療費の削減に寄与するどころか、
私が無駄な医療費を使ってしまっている可能性すらあると考えました。

そこで、教育上教わった理論は理論として覚えておき、臨床において結果を出すための考え方、視点を見つけたいと思いました。

その結果、行き着いた理論が「身体内圧理論」でした。


      身体内圧理論の試行錯誤


しかしながら、最初から理論構築できたわけではありません。
私が「身体は圧力を有しており、その圧力を利用して運動を行っているのではないか。」と思いついたのは、
臨床に出ておよそ9年経過したころでしたが、そこからの理論構築が大変でした。

構築した理論の検証作業としては、先ず、ある視点や理論を構築したら、自分が考えられるあらゆる方向から、
この理論が論理破綻を起こしていないかを確認する作業を行います。
少しでも怪しいと思ったときには、再度考える作業に戻ります。

この検証作業を行うと同時に、自分自身が新たに得られた知識、知見や経験を理論に加えて再構築し、
再構築後の理論に論理破綻が来ないかの検証をしていきます。

理論が構築できたら、実用段階に入ります。
構築した理論に基づいた施術計画を臨床で実践し、
施術効果が伴っているかを確認し、効果が得られなかった場合には、
再度理論と視点を練り直します。

身体内圧理論はこの検証作業を約10年繰り返してできた理論になります。

ですから、より実践的、効果的な理論であると考えています。


      質的変化と量的変化の関係


EBM(Evidence Based Medicine:根拠に基づいた医療)においては、数値化が重要視されることになり、
臨床における顧客満足を得るために考えられた理論は多くありません。

検査の数値を上げるためだけに行うことは(例えば、関節の可動範囲が80度から90度に可動範囲を広げる)、
数値は改善するかもしれませんが、顧客の主観(顧客が自身の身体に対する印象)が変化することとは必ずしもイコールではありません。

顧客満足から考えると、「痛みが消えた。」や「体が軽くなった。」等の質的変化を提供したことによって、
「可動範囲が広がった」や「歩く速度が上がった。」などの量的変化が生じる結果が得られた方が良いように思います。

逆に、可動範囲(数値の変化)は広がっても、顧客の主観(顧客が自身の身体に対する印象)が変化しなければ、満足してもらえません。

施術を行った後、顧客自身の主観が変化していないのに、施術者側から「数値は良くなっています。」といわれても、
顧客の心からの納得、満足は難しいように思います。

ですから、身体内圧理論の考え方では、「質的変化を提供した結果、量的変化が変わった。」
つまり、「主観(顧客が自身の身体に対する印象)を変えた結果、客観(数値の変化)が変化した」を目指して施術しています。

我々プロの施術対象は、疾患や身体の各部位ではなく、当然、生身の人であり、結果が出ない限り、顧客満足には至らないと思います。

このことは一般的にはあたりまえの観点なのですが、
私の知る限り、この視点を重要視した理論が多いとは言い難いのが現状のように感じています。

疾患や性別等に関係なく、結果が出る考え方を構築したものが身体内圧理論であり、故に、既存の理論とは異なりますから、
今までの考えや既成概念を取り払わないと理解が難しいですが、必ず結果は担保されます。

質的変化を担保するための視点や考え方を今後もお伝えしたいと思います。


Commented at 2018-08-11 16:26
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by shintai-naiatsu at 2018-08-12 12:42
> yutococoaさん
コメントいただき、ありがとうございます。

私が養成校にいたのは、二十数年前です。
現在の教育内容は定かではありませんが、少なくとも、私の養成校時代までは、1日2回の反復運動が可動域維持には必要であると教育されていました。

私も最初は教育内容を信じていましたが、臨床において生じる事象とかけ離れていることに悩まされました。
しかし、この事があったからこそ、身体内圧理論が生まれたとも考えられますから、ある意味においては、感謝しています。

何にせよ、お客様が喜ぶ姿を目にすることが、一番のモチベーションの向上になります。
今後も皆様にご満足いただけるような施術とサービス提供をしたいと考えています。

また、ご自身の自己管理は、必要な時に必要な量を行った方が良いと思います。ストレッチはご自身の生活があってのことですから、間違ってもストレッチや自己管理が生活よりも優先することの無いようにされた方が良いと思います。
老婆心が過ぎる嫌いがありますが、念のためお伝えいたしました。

今後ともよろしくお願いいたします。
by shintai-naiatsu | 2018-08-10 19:13 | Trackback | Comments(2)